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【カメラ】レンズの収差問題と眼から芸術としてのカメラを考える

カメラ
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兄にタダで一眼レフを貰ってようやく正常なカメラ趣味がスタートしそうなどらびです。

今回はカメラの、特にレンズにおけるお話をします。実はもう1年以上前の話ですが、カメラのレンズに関わる、数学の重大な発見がありまして。

球面収差を完璧に取り除くレンズの数式

というものが解明されました。今回はこれについて触れつつ、趣味としてのカメラの面白さを考えていきましょう。

収差とは?

まずはカメラ、厳密にいうとレンズに必ずと言っていいほどまとわりつく、収差という問題について触れていきます。

レンズのおさらい

まず、簡単にレンズの事を説明しますと。

http://www.riruraru.com/cfv21/phys/lens.htmより引用

このような形で光を集めたり、逆に拡散させたりするものを指します。

大体アーモンド形をした、凸レンズと呼ばれるものが、中学の理科の授業とかで出たと思いますし、焦点距離だの、何だのと問題を解かされたのではないでしょうか?

では何故レンズが光を集めたり、拡散できるか説明できるでしょうか?

答えは、

  • 光が進む速度が物質により異なるから
  • モノの境界で光が曲がるから

どちらかが言えていれば概ね正解です。

問題の中の凸レンズはいつも理想的

さて、中学時代にタイムスリップしましょう。

いつも授業で解いていた凸レンズ。その中で光(という名の鉛筆で書いた直線)はどのように動いてたでしょう?

そう。凸レンズのど真ん中で一回だけ曲がるのです。

平然と嘘をついてます。非常によろしくない。

じゃあこいつが本当のレンズだとどうなるのか、その答えが収差なのです。

収差:現実のレンズで生じるズレ

現実世界のレンズでは例えばこんな感じ

(オリンパスHPより:https://www.olympus.co.jp/csr/education-creates-the-future/technology/lens02/?page=csr)

これを球面収差といいます.

今回の記事では深くは触れませんが,球面収差はサイデル収差と呼ばれる収差の一つで,

  • 球面収差
  • コマ収差
  • 非点収差
  • 像面歪曲
  • 歪曲収差

を合わせてサイデル収差と呼びます.これに関して詳しく知りたい人はWikipedia見ましょう.

ザイデル収差 - Wikipedia

球面収差が0になるレンズの方程式

2018年,革新的な論文が発表されました.詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください.

2000年以上にわたって科学者を悩ませた「レンズの収差問題」がついに解決される
「古代ギリシャの科学者であるアルキメデスが凹面鏡で太陽光を集めて敵艦を焼き払った」という伝説がある通り、光学の歴史の始まりは2000年以上前に遡ります。そんな光学の歴史上で人類が2000年以上も解決できなかった「レンズの収差の解消」という難問をメキシコの大学院生が数学的に解決したと報じられています。

要するに上で挙げた(現実の)レンズで生じる歪みが全くない,理想的なレンズがようやく数学的に明らかになったのです!

この論文を紹介している記事ではよく,

「この研究により,カメラの性能が大きく向上する可能性がある」

という事が書かれていますが,これを鵜呑みにするのは良くないぞ,というのが今日の本題②になるわけです.

アートとしてのカメラとリアルを捉えるカメラ

リアルを捉えたいカメラの場合、収差はもってのほかです。

例として最たるものは天体観測用のレンズとか。正しくないものが映ってたら大変ですよね。

一方でカメラのレンズは、意図的かどうかは別として、収差があるからこそ綺麗に写ることがあります。

でも、考えてみると不思議じゃないですか?

何故収差がある画像が美しく感じられるのでしょうか。

何故収差があると味わい深い?

科学的な側面から考えてみましょう。

科学的見地でみる収差とカメラ

人間の眼はもちろん?レンズ構造をしています。ところで人間の眼って先程紹介したような理想的なレンズをしてると思いますでしょうか。

答えは否。良くある凸レンズのような形です。もっと言うと凸レンズとしても理想的な形はしていないでしょう.

要するに人間の眼でも収差は起きるわけですね。

ここで、理想的なレンズで撮った写真を観ると、むしろ無機質な、CGの様なものに感じられるのではないかと思います。まあ仮説なので確証は無いのですが。

両眼視差とカメラのボケ

収差とは別に、人間の目には両眼視差というのもあります。というよりこちらの方が影響は大きいと思われます。

人間は遠近感を感じ取ることができますが、これは両の眼から入ってきた画像を脳が重ね合わせて、そのズレから距離を測るからです。

注視点(要するに見ようとしてる場所です)以外の部分の像は全てボケます。

これも考え方によっては収差と現象は類似しています。

こう考えると、ステレオカメラで撮影して、両眼で見せる場合はボケがない映像の方が良いのだと思います。両眼視差から脳がボケを作り出してくれますから.

という事で、一つの平面に表現された絵(写真)をみる時には、ボケがある方が生で観た場合との差が少ないのだと思います。コレが写真のボケを美しいと感じる科学的な考察(あくまで個人の意見)です。

終わりに

今回は収差という観点で、数学上の偉大な発見と、写真が何故美しく感じるのか、あえて収差という不完全さを残す事で人間が見ている世界に近づくのではないかという考察をしてみました。

これから特に本格的にカメラをやっていこうかと思っているので、こんなことを考えてみたりしました。

でも正直趣味なので、楽しければそれで良いと思います。私はあまのじゃくという性格上の歪みがあるので、ハイエンド機のレビューとかはせずに、ひたすらマイナー道を貫きたいので、兄から貰った入門デジイチと、中判フィルムカメラ、それらをいかにして使っていくかを記事にできたらと思いますが、それを見て面白さを感じ取ってくれる人が1人でもいれば幸いです。

ちなみに私はマクロ撮影の写真が好きな傾向にあるので、そっち方面に特化しそうな予感が既にしております。

それでは今後の更新をお楽しみに。

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